オーダーネクタイが仕上がる工程の後半を紹介しています。
⑧仕上げアイロン
剣先をアイロンでプレスし、最終的なフォルムを決めます。
剣先の左右のバランス、ねじれなどを把握しながら、1本いっぽん仕上げていきます。
剣先以外は、ふわっとした立体的な魅力を残すためアイロンは敢えてあてずに。
全長を測ったのち、最終段階へ。
⑨ブランドネーム付け
手縫い或いは、専用の特殊ミシンで、共ループとブランドネームを縫い付けます。
ネクタイの場合は表に縫い目が出てはいけないので、通常のミシンで縫い付けることはできないのです。
ブランドが付くと、ネクタイが風格を帯びるように感じます。
手縫いで付けたり、特殊ミシンを使ったりします。特殊ミシンは、ボタン付けミシンの技術を応用して作られているそうです。
⑩たるみ糸作り&カン止め
伸縮を持たせるように縫製したネクタイをみてみると、剣先の裏側にループ状の糸がみえます。
これは「たるみ糸」という名前がついていて
リバーや手縫いで波縫いをした糸の端の部分です。
芯入れのときに玉止めをしておきましたよね。
こちらをかぎ針でループ状になるよう引くことで、開口部がしまります。
ネクタイは、全体を貫く1本の糸に、このループ状の遊びがあることで伸縮性をもたせています。
この糸をそっとひくことで、糸のゆるみを戻すことができますから、「ほつれている!」と言って切らないでくださいね。
たるみ糸は、とても大事な役割をもっている糸なのです。
たるみ糸をつくったら、最後に仕上げのカン止めです。
ネクタイの開口部を、手縫いでしっかりと止めていきます。
大剣、小剣、カン止めをして糸が表に出ていないことなど最終チェックを行います。
飾り糸やネックテープなどのオプションオーダーがあれば施し、
完成です!
完成したネクタイはパッケージングして全国へ!各店舗で最終チェックを行って頂き、お客様の元へ届けられます。
いかがでしたか?
製造工程を知ると、色柄だけでないネクタイの良し悪し、扱い方などもわかりますよね。
ネクタイが、お客様を一層魅力的に引き立てていると思うと職人冥利につきます。
ご覧頂き、ありがとうございました。